ようやく『透明な世界へ』が完成しました
林一哉 です。ご無沙汰しています。
某大手予備校を辞めて、関西を離れ、かれこれ10年経ちます。
みなさん、お元気ですか?
私の方は、元気にしており、そのおかげで、ようやく本が完成しました。
タイトルは『透明な世界へ』です。第1部と第2部に分かれております。
第1部は、マルクスの書いた『資本論』の初版の本文に書かれた、価値形態論を中心とした価値論と、それに続く交換過程論の一部を翻訳し、解説したものです。また、第2部は、これまたマルクスの書いた『資本論』の現行版(第四版)の上記同箇所を翻訳・解説したものです。
第1部は600ページ、第2部は415ページになりました。もちろん、これだけの大部になったことには理由があります。
一番大きな理由は、単に、私による翻訳と解説を掲載しただけではなく、昨年お亡くなりになった榎原均(えばら ひとし)さん、本名 境毅(さかい たけし)さんがかつて自費出版された書籍の解説の一部を、『資本論』の各段落に対応させて掲載し、なおかつ、その解説自体が難解でもあるので、資本論の解説と同時に、榎原さんの解説についての解説も書いたからです。つまり、マルクス『資本論』の翻訳→榎原さんの解説→私の解説という、三段階の流れが基本になっています。よって、通常なら、三冊の本になるところを一冊にしたために、この本は大部になった、ということなのです。よって、価格も三倍となり(価格は印刷・出版を依頼している会社が大枠を決定します)、第1部が5000円、第2部が3500円になってしまいました。これでも私の方にまわってくるのは売り上げの数%です。この本の執筆のために、直接的には10年、(ピカソみたいなことを言いますが)初めてマルクス関連の書籍を読んだ日からしたら43年かかっています。許してもらえる範囲だと考えています。
今回の本を出版した一番の理由は、榎原均さんのマルクス解釈を残し、広めることです。マルクスの価値論を正確に理解したのは、著名な哲学者や経済学者の誰でもなく、有名ではありませんでしたが、一部(私が知っている限りでは、今のところ、十数人)では確実に認められていた、榎原均さんのみであった、と言い切ることができます。この『資本論』の「正確な理解」が難しかったが故に、日本では、かつて、テキスト理解の不可能性、または、あらゆる解釈の可能性、などという言説が流行りました。そのような考えは、何のことはない、ただ対象の理解が難しすぎたために、自己の正当化のために発せられたメッセージにすぎなかったのです。難しいなら難しいと訴え、その理由は何かを考えるのが、解決の一番の方法です。要は「逃げない」ことです。
現在は、見本書を注文し、それを待っているという状況です。その見本に問題がなければ、2026年の元日に、アマゾンにて、POD(オン・ディマンドでの出版形式)にて出版開始となります。
本日から、出版開始の日まで、毎日5時に記事を投稿します。よろしければ、お読みください。