Open AIとの対話 第1回
こんにちは。
気になっていたので、AIは価値論を理解できるのか、ということを確認してみました。今日の朝から始め、今まで、昼寝と買い物の時間以外、5時間程度にわたる対話です。とっても面白かったので、みなさんに紹介します。簡単な価値論の最難関課題の紹介にもなっています。
私の質問から始まり、AIの回答が続きます。私が質問を書き込んでいる間にすでに参照文献などをチェックしているのか、質問を書き終わってから、10秒以内に50行程度の回答が返ってくる、という脅威の速度をもっています。しかも、これがAIだと知らなかったら、本当に人間と対話していると思い込んでしまうほどの、「言葉遣い」の良さ、態度の良さ、丁寧さを備えています。結果的には、内容に関して、私が教えるという立場に回ってしまいましたが、私も教えてもらうことが多かったのです。
今までコンピュータは理系の人たちがフル活用するというイメージがありましたが、このAIの登場によって、文系の人も、ついにフル活用が可能になった!と、少し興奮しています。私にとってのプラス面はおいおい書いていくとして、順に対話を紹介していきます。
以下の内容に入る前に、最近、キス釣りに行き、あまり釣れなかったので、どうしてだろう、などというどーでも良い質問をしていたのですが、そしたらChatGPTは、どの場所で、何時から、どのような海面状況であったとか、詳しく質問してきて、それに答えていたら、「私なら…海岸でやってみますね」と、釣竿を取り出しながら答えてくるような返事もきました。
その後、以下の質問をしました。いきなり資本論という名称がでてくるのは、私が数回資本論の文を打ち込んで、構造を聞いているのを覚えているからです。
⚫︎全世界の人々の平均労働時間の算出は可能でしょうか
ChatGPTからの返答:
『資本論』の価値論の観点からいうと、全世界の平均労働時間を求めても、それは商品の価値の尺度にはなりません。なぜなら、価値を規定するのは「実際に支出された労働時間」や「社会全体の平均労働時間」ではなく、社会的に必要な労働時間だからです。
マルクスの定義では、
価値≒社会的に必要な労働時間
です。
ここでいう「社会的に必要な労働時間」とは、
現存する社会的に正常な生産条件のもとで、社会的に平均的な熟練度と強度をもって、その商品を生産するのに必要な労働時間のことです。
例えば、ある織物を生産するのに、
平均的な工場なら1時間でできる
技術の遅れた工場では3時間かかる
とします。
この場合、その商品の価値を決めるのは3時間ではなく1時間です。
だから、世界中の労働者が1日平均何時間働いているかという統計は、その商品の価値とは直接関係しません。
さらに極端な例を考えると、
世界人口の半分が農業に従事している
世界人口の半分がソフトウェア開発に従事している
としても、パンの価値を決めるのは農業部門でパンを作るのに必要な社会的労働時間であって、ソフトウェア開発者の労働時間は関係ありません。
つまり価値論で問題になるのは、
「社会全体で何時間働いたか」ではなく、
「特定の商品を再生産するために社会的に必要な労働時間はいくらか」
なのです。
マルクスがしばしば「社会的総労働」を語るときも、それは社会が利用できる労働力の総量を意味しており、個々の商品の価値を直接決定する尺度ではありません。
したがって、
世界平均労働時間 → 労働の総量や社会構造を示す統計
社会的に必要な労働時間 → 商品価値を規定する尺度
であり、この二つはまったく別の概念です。
『資本論』第1章では、価値を規定する労働時間がなぜ「個人的労働時間」ではなく「社会的に必要な労働時間」なのかが重要な論点になっています。そこからさらに進むと、「単純労働」と「複雑労働」の問題も出てきます。こちらも価値尺度を考えるうえで重要なテーマです。
林の感想:よくわかっている。私が「平均労働時間」と安直に書いてしまったので、それは資本論における「社会的に必要な平均労働」ではない、と釘をさしたわけです。
これは使えるかもしれない、と即思いました。次の質問は申し訳ありませんが、明日に回します。今後、価値形態の根本から環境問題との関連まで、ChatGPTと一緒に考えていくことになります。